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アレルギー

アレルギーが原因の湿疹への対処方法とは? 正しいスキンケアについても解説

アレルギーが原因の湿疹がでて、どう対処したらよいか分からず困っている人も少なくないでしょう。
 
アレルギー性の湿疹の代表的なものには、アレルギー性の接触皮膚炎(かぶれ)があります。対応を誤ると症状が悪化する可能性があるので、適切に対処することが大切です。
 
今回は、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)に関する基礎的な知識から対処法まで詳しく解説します。
 
また、アレルギー性接触皮膚炎とアトピー性皮膚炎との比較や、子どもに生じる食物アレルギー(時として皮膚炎も生じる)や、スキンケアについてもあわせて紹介します。アレルギー性の湿疹に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

※広義には皮膚炎=湿疹ですが、通常は原因がわからないものを湿疹と呼ぶことが多いです。今回の本記事で「アレルギー性の湿疹」と記載しているものはアレルギー性接触皮膚炎を指しています。

 

アレルギー性の湿疹とは?

アレルギー性の湿疹の概要について、以下の観点から解説します。

  • アレルギー性の湿疹の症状・治療
  • アレルギー性の湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
  • 子どもに生じる食物アレルギー
  • アレルギー性の湿疹を疑ったら皮膚科を受診
 

それぞれの内容を理解しながら、症状を確認してみてください。

アレルギー性の湿疹の症状・治療

アレルギーとは、本来は人体に無害な物質に対する免疫反応が過剰に反応して、アレルギー症状が引き起こされることを指します。
 
アレルギーが起こる主な原因は、特定の物質を食べたり触れたりすることですが、アレルギー性接触皮膚炎の場合は、主にその物質に触れることによって生じます。
 
アレルギー性接触皮膚炎の原因物質は多数ありますが、一部を紹介すると以下のようなものがあります。

  • 指輪やネックレス、時計などの金属
  • 植物・食物(漆、サクラソウ、柑橘類、銀杏、アブラナ科など)
  • ゴム製品
  • 毛染め、シャンプー、ボディソープ、化粧品、洗剤など
  • 湿布、点眼薬、外用薬
  • 衣類(ホルムアルデヒド)
 

アレルギー性の湿疹の原因は、本来は人体に無害な物質に対する免疫反応によるものであり、原因物質が接触する部位にかゆみやブツブツ、赤み、水疱などの皮膚症状が現れます。
 
特にアレルギー性の湿疹が出現する接触皮膚炎では、初日には症状が起こらず、数日経ってから症状がはっきりしてくる場合が多いです。
 
また、初回の接触ではなにも起こらず、二度目の接触で強いアレルギー反応を起こすこともあれば、何度も接触するうちに症状が増悪するケースもあります。
 
それまで問題なく触れていた物質で突然アレルギー性の湿疹が生じる場合もあるので注意しましょう。

参照:東京都健康長寿医療センター「皮膚科|アレルギー性皮膚炎と皮膚疾患」
参照:MSDマニュアル家庭版「17. 皮膚の病気|接触皮膚炎」

 

アレルギー性の湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

アトピー性皮膚炎は、子どもから大人までかかることのある皮膚の病気で、湿疹やかゆみが軽くなったり悪化したりすることを繰り返す病気です。アレルギー反応が起こりやすい、または皮膚のバリア機能が弱い人によく見られます。
 
また、アトピー性皮膚炎はアレルギー体質が原因とされがちですが、遺伝的な体質と環境素因が複雑に関与して発症します。
 
アレルギー性の湿疹とアトピー性皮膚炎の比較を下記にしていますが、両者では生じる原因・皮膚症状の分布などが異なります。

異なる項目
アレルギー性の湿疹 アトピー性皮膚炎
 原因 特定の物質に触れる アトピーになりやすい素因がある
皮膚のバリア機能が弱い、皮膚の乾燥
皮膚の症状 ・かゆみが見られる
・ブツブツができる
・赤みが出る
・小さな水疱が生じる
・ジクジクと液が滲み出る
・乾燥して皮膚がゴツゴツと硬くなる
・かゆみを伴う
皮膚症状の分布 基本的には原因物質に接触した部位のみ
(重症化すると拡大することがある)
左右対称で全身に広がることもある
罹患期間 一時的であり原因物質から離れれば改善が期待できる 原因がひとつではなく、特定が困難であり、湿疹が改善したり悪化したりと繰り返すことが多い
 

このように原因がわかりやすく、接触した部位のみに症状が出現する場合には、アトピー性皮膚炎ではなくアレルギー性の湿疹である接触皮膚炎が考えられるでしょう。

参照:東京都健康長寿医療センター「アレルギー性皮膚炎と皮膚疾患」
参照:MSDマニュアル家庭版「17. 皮膚の病気|接触皮膚炎」
参照:MSDマニュアル家庭版「17. 皮膚の病気|アトピー性皮膚炎(湿疹)」
参照:日本アレルギー学会・日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」

 

子どもに生じる食物アレルギー

食物アレルギーによっても湿疹の症状を伴うことがあります。
 
食物アレルギーとは、摂取した食べ物へのアレルギー反応で蕁麻疹・湿疹・皮膚炎などの皮膚症状、下痢・嘔吐・腹痛などの消化器症状、咳・ゼーゼーするなどの呼吸器症状が起こることをいいます。
 
食物アレルギーが疑われる場合は早期に医療機関を受診することをおすすめします。

参照:アレルギーポータル「食物アレルギー」
参照:国立研究開発法人 国立成育医療センター「食物アレルギー」

 

アレルギー性の湿疹を疑ったら皮膚科を受診

湿疹がアレルギーによるものかどうかの判断は難しいため、まずは皮膚科で診断してもらう必要があります。医師であれば視診で、ある程度の原因を推察できます。
 
しかしそのアレルゲンの推測には、視診だけでなく問診において詳細な情報が必要になります。医師に伝える情報は複雑な内容になることもあるので、あらかじめ発症の経過をメモにしておくと良いでしょう。
 
またアレルギー性の場合は重症化する場合もありますので、皮膚症状がある場合は早めに受診しましょう。

 

アレルギー性の湿疹への対処方法

 

自分の湿疹がアレルギー性と判明したら、治療に進みます。対処方法は、主に以下に4つです。

  • 問診によるアレルゲンの推測
  • 検査によるアレルゲンの特定
  • 内服薬・外用薬の使用
  • 環境要因の調整
 

適切に対処するためにも、1つずつ確認しましょう。

問診によるアレルゲンの推測

皮膚炎の原因(アレルゲン)を特定することは簡単ではありません。原因の特定には詳細な情報を医師に伝えるのが非常に重要です。
 
受診時に以下の内容を医師へ伝えると原因の特定に活かせる場合がありますので、受診前に下記の情報をまとめておくと良いでしょう。

  • 職業や業務内容
  • 最近行った家事
  • 旅行の有無や行き先
  • 症状出現時および出現前に摂取した食べ物、サプリメント、薬剤など
  • 症状出現時および出現前に接触した物質
  • 化粧品や薬など皮膚に塗ったり貼ったりした製品
 

特に、アレルギー性の湿疹を疑った場合には、症状の出現した日だけではなく過去に遡って原因となりうる物質を推測する必要があります。
 
心当たりのある原因のアレルゲンは、触れたタイミングもメモなどに記録しておき医師に伝えるとよいでしょう。
 
皮膚症状の場合は写真を撮っておいて、医師にみせるというのも良いでしょう。

検査によるアレルゲンの特定

アレルギーの原因物質であるアレルゲンは多岐にわたるため、治療には何が原因となっているのか特定する必要があります。
 
アレルゲンの特定には、医療機関を受診して検査を受けることが必要です。医療機関では、以下のような検査を受けられます。

検査名
内容
 パッチテスト 皮膚にアレルギー物質を付けたテープを48時間貼り付けて皮膚症状がでるかどうかを調べる検査 
プリックテスト 皮膚に小さな傷をつけてアレルギー物質を含むエキスをたらしてアレルギー反応を調べる検査 
特異的IgE抗体検査 アレルギーを引き起こす抗体が血液中にあるか調べる血液検査
食物経口負荷試験 アレルギーが疑われる食品を医師の管理の下で食べてみる検査
 

さまざまな検査がありますが、アレルギー性の湿疹である接触性皮膚炎の確定診断にはパッチテストが有効です。ただ、パッチテストをするとかぶれの症状が再現されるため、原因物質が問診でわかっているのであれば検査を行う必要がありません。
 
なお、医療機関によって受けられる検査が異なります。受診する前に、どの検査ができる施設なのかホームページなどで確認しておくことも大切です。
 
また、検査は後日の予約検査になることが多いので、スケジュールには余裕をもって受診をするのをお勧めします。

参照:アレルギーポータル「アレルギーについて|アレルギー検査について」
参照:東京都健康長寿医療センター「皮膚科|アレルギー性皮膚炎と皮膚疾患」
参照:公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A|Q7.接触皮膚炎(かぶれ)の検査はどのようなものがありますか?」
参照:独立行政法人環境再生保全機構「食物経口負荷試験について」

 

内服薬・外用薬の使用

アレルギー性の皮膚症状である湿疹を治療する際には、内服薬・外用薬を使用するケースが一般的です。
 
具体的には、以下のような薬が挙げられます。

薬の種類
薬の種類 期待できる効能
抗アレルギー薬(第二世代抗ヒスタミン薬)
(フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、ロラタジンなど)
内服薬 かゆみを和らげる
副作用が比較的少ない
抗ヒスタミン薬(第一世代)
(クロルフェニラミ、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン)
内服薬 かゆみを和らげる
副作用が第2世代よりも多い
ステロイド内服薬
(プレドニゾロン、デキサメサゾンなど)
内服薬 炎症を抑える、痒みを抑える
ステロイド外用薬 外用薬 炎症を抑える、痒みを抑える
 

アレルギー性の湿疹の治療薬としては、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服や、ステロイド外用薬の塗布が代表的です。
 
ステロイド内服薬は重症化の際に使用することがありますが、変化する症状にあわせて投与量や投与期間の調整などがなされます。
 
症状が出た場合は早めに医療機関を受診し、症状に応じて薬を処方してもらうことをお勧めします。

環境要因の調整

薬の服用だけでなく、環境要因の調整もアレルギー性の湿疹に対する重要な対処方法・予防方法の1つです。
 
一度反応した物質(アレルゲン)は、その後も継続的に反応する恐れがあります。そのため、湿疹が出る原因を取り除くことが、応急処置や予防につながります。
 
日常生活の見直しなどを行い、アレルゲンに触れないように気をつけましょう。
 
どうしても触れなければならない場合は、手袋を着用したり肌を衣服で隠したりするなどの工夫をするとよいです。万が一皮膚にアレルゲンが触れてしまったら、水や石けんで洗い流しましょう。
 
また、アレルゲンに長時間触れれば触れるほど症状が悪化するリスクがあります。炎症を抑えるためにも、汗をこまめに拭き取り、こまめなシャワーや入浴で肌を清潔に保ちましょう。
 
また、肌が乾燥などで皮膚のバリアが壊れているとアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなるので、乾燥にも注意しましょう。

子どものアレルギー性の湿疹への対処

子どものかぶれや湿疹、アトピー性皮膚炎は、保護者のサポートが大切です。特に子どもの場合は意思表示が難しいため、アレルゲン特定のためには保護者が注意して食事や衣類、生活習慣における皮膚症状の変化を観察する必要があります。
 
また、子どもはかゆみを我慢できずに搔いてしまい悪化しやすいため、皮膚症状が有る場合は早期の医療機関を受診することをお勧めします。
 
また、子どもが薬を嫌がって飲まないケースもよく見られます。医療機関なら子どもでも飲みやすい、甘みのついた粉薬やすぐに溶けて飲み込みやすい錠剤などを処方してもらえます。
 
自分では治療を進められない子どもだからこそ、保護者によるアレルゲンの排除・薬の服用が重要です。

参照:かゆみナビ「キッズのかゆみナビ|保護者へのアドバイス[アトピー性皮膚炎編]」

 

アレルギー肌のスキンケア

アレルギー肌のスキンケアには、適切な手順と肌に合った洗顔料・化粧品の選択が特に重要です。
 
スキンケアの方法を誤ると、アレルギー反応が起こったり湿疹が悪化したりします。
 
敏感な肌の人がスキンケアをする際は、肌を清潔に保つことと十分な保湿を心がけましょう。
 
基本的なスキンケアの手順は、以下の通りです。

  1. 洗顔料を洗顔ネットでよく泡立てる、もしくは泡タイプのものを使用する
  2. 手で肌を擦らないように、泡でなでるようにして優しく洗顔する
  3. 保湿剤で肌を保湿する
  4. 日中は日焼け止めを利用して紫外線からのダメージを防ぐ
 

スキンケア用品を選ぶ際は、敏感肌用や低刺激またはアレルゲンフリーのものを選ぶとよいでしょう。製品との相性は人によって異なるので、自分に合う製品が見つかるまで様々な製品を試してみると良いでしょう。

参照:アレルギーポータル「よくある質問|湿疹の悪化を防ぐための適切なスキンケアの方法を教えてください。」

 

アレルギー性の湿疹にはスキンケアも大事

アレルギー性の湿疹は、特定の物質に過剰な免疫反応を起こすアレルギー反応が原因で生じる皮膚炎です。
 
自分の湿疹の原因が何か自分で判断することは難しいので、湿疹が出たらまずは皮膚科を受診する必要があります。治療には薬の塗布や内服が効果的ですが、根本的な対応としては、原因物質の特定・除去も重要です。
 
しかし、日々のスキンケアが誤っていると、かえって悪化することもあります。本記事を参考に自分の肌に合った洗顔料・化粧品を選び、適切な方法で利用するようにしてください。
 

【監修者情報】

お名前:後藤 和哉
資格:
・日本医師会 認定産業医
・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
・日本褥瘡学会認定褥瘡認定師
経歴:
京都大学皮膚科在籍中。皮膚科医としての臨床業務と並行しながら大学院で臨床研究を行う。
産業医として10社以上で顧問契約中。
 
 
 
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